頻脈や徐脈になっていないか、不整脈が連発していないかなど、心疾患の状態が心配な在宅患者は少なからずいらっしゃいます。特に一人暮らしの心疾患患者の場合には特別な監視が必要です。従来は、このような患者の心電図を、在宅支援診療所などから常時連続モニターできる簡便な手段がありませんでした。

当研究室では、在宅医療を支援するために、入院から在宅に移行した患者の心電図を、入院時と同様に常時連続モニターできるITシステムの実現を目指して研究開発しております。現在までに、患者〜データサーバ間をワイヤレスで構成した試作システムが完成し、 研究に協力していただける在宅患者を対象として、 2008年5月より試験的に運用を行っております。このシステムは、モバイル端末の電波圏内であれば必要なときにすぐに設置でき、 患者はRF-ECGの電波が届く範囲内であれば自由に行動できるいう利点があります。また、診療所の医師や看護師がクライアントのモバイル端末を持っていれば、診療所以外からでも場所を選ばずにモニターできるという利点もあります。

IT医療は、在宅医療を充実させるための重要な手段として、その発展が期待されます。


本システムは、(株)医療電子科学研究所およびiMed Japan株式会社のご協力により、山田英明下町クリニック(在宅支援診療所)との共同研究により開発したものです。

 

在宅IT医療用心電図遠隔監視システム

常時連続モニター可能